SAKURANBO No.2

  • 2008/01/10(木) 23:01:33

今日は暖かい陽気です。
こういう日を 小春日和 というのでしょうね。
縁側で 番茶をそそり・・・聞くのは やっぱ 落語でしょ・・
というわけで・・・・・

・・・・・・・・続き のはじまり・・・・・・・・・・・・・・・

※ 秀次郎が頭巾をとる

徳 :ふぁ、ははははははははぁ!!!!
  なーんやそれ! いちびってんのか、それ・・・・って。

秀 :笑わん・・ゆうて・・笑うたな。

徳 :わろた・・・おもろいから・・・わろた。
  わし、O型やねん。おもろかったら 素直にわらう性質やねん。

秀 :そうか。

徳 :しかし・・・何やそれ・・・木の枝みたいなもん頭の上に乗せて
  (しげしげと見入っている)サクラかぁ・・・・これ。
  しかし・・・あれやなぁ・・狐か狸やったら頭の上に「木の葉」を乗せて
  エイ! ヤー! 変身!!って化けるってもんやけど、あんたが
  そんなもん頭の上に乗せてどないすんねん。

秀 :何もシャレや冗談でこんなもん頭の上に置いてるんと違うで。
  第一これ、置いてるのでもなけりゃ、髪に差してるんでもない。

徳 :何?「置いてるのでもない、髪に差してもいない」ってゆうたら
  どないなってんねのや?

秀 :つまり・・・その・・・・あの・・・生えたんや。

徳 :ハハハハハァ 生えた? 生えたって・・・ハハハァ
  頭から・・・・ハハァ・・・・どぉいうこっちゃ。

秀 :ちょっと、触ってみるか?

徳 :(おそる・・・おそる・・・・)ほ・・・ほんに生えとるわ。
  頭からサクラの木が生えてあるわ。どないしたんや、これ?

秀 :よーわからんねんけど・・・・考えてみると・・・・・・
  ひと月ほどまえ・・・うちのオバハンが「隣村でサクランボがどれた」
  ゆうて、よーさん持ってきてなぁ。

徳 :ほぉ。

秀 :わし、サクランボが大の好物やからな、鉢いっぱいにあったのを
  パクパク うまうま ぱくりぱくり うまーうまー
  全部 たいらげたってん、どや。

徳 :どや って言われても・・・・なぁ。

秀 :あまりにも慌てて食うたから・・・その種を一つ呑み込んだらしい。

徳 :「呑み込んだらしい」って、何かい、その呑み込んだ種が腹の中で
   温もってジンワリ・・・芽ぇ吹きよったっていうんかい?

秀 :そぉいうことになるらしい。サクランボ食べて、二日目の朝方やった
   かいなぁ・・・腹の中が何かムズムズするんで、「ひょっとしたら
   芽ぇ吹きよったかも?」って思うたり、そんな気はしたんや。
   「まぁ 体の中のこっちゃ、体の中でおさまるわい」と思うてたら
   えらいもんやねぇ、頭ドンドンどんどん突き抜けて、上出て来よって
   ・・・・・もう・・・・サクラってもんは精の強いもんやねぇ。

徳 :感心してる場合やあらへんで、えらいことになったもんやなぁ。医者に
   診てもろたんか?

秀 :医者にも診てもろたんや。

徳 :何言うてんねん?

秀 :さぁ、医者がな、「まぁ、こんな病人には初めて会わしてもろた。
  嬉しいよーな、情けないよーな、気がする。何がなんやら、わからん。
  今までこんな病人診たこともなけりゃ、二、三古い書物調べさしてもろた
  けれど、どこにもこういう過去の事例がない」と、こう言うねん。

徳 :はぁ、「事例がない」と。

秀 :そやねん、で「まぁ、うちではとても手に負えへんさかい、どうぞ
  よそへ行ってもらいたい。」って・・・こう言わはったんや。

徳 :ほぉ〜 どこ行けっていいよんねん。

秀 :「どこへ行けともいえんけども、ま、何ならば植木屋の方へ回って
   みたらどや」と。

徳 :頼りない医者やなぁ、えぇ加減なこと言いよるが、かといって・・・・
  どこへ・・・行くってもなぁ・・・医者としては・・・なんなと言うのが
  仕事やからなぁ。・・・・ほんでどぉしたんや?

秀 :さっそく・・・わし植木屋に行ったんや。

・・・・・・・・・・・・・・・続く・・・・・・・・・・・・・・・・・・